8 年齢退行催眠。
皆様こんにちは。今日は催眠療法の手法の一つである、年齢退行について考えてみたいと思います。
年齢退行は、トラウマとなった感情や、解決したい問題となる感情、制限的決断などのネガティブな問題に対して、その感情が生まれた、”一番初めの感情” にアクセスして、原因からこれからの人生の学びを得て感情のゲシュタルトを崩壊させる手法であります。
何を言っているのか分からなくても大丈夫です。順番に見ていきましょう。
例えば、最近Xさんに怒鳴られて、とても強い恐怖の感情を感じたYさんという方がいたとします。それ以来、Xさんと顔を合わせることができず、手が震えて動悸がします。と、Yさんはいいました。
しかし人にはたくさんの感情があり、その時の”とても強い恐怖の感情”は、その時に初めて生まれた物ではなく、ゲシュタルト、つまり真珠のネックレスのような1列の感情の連なりになってつながっています。その恐怖の感情、特定して呼ぶと今回は”とても強い恐怖の感情”と呼びます。これには、必ずその感情を初めて覚えた場面があります。
すべての”初めてその感情を覚えた場面”は、出来事の連鎖、つまりこの感情のゲシュタルトのスタート地点ですが、0才〜4才とされています。それ以外に母親の体内や、前世というパターンもありますが、年齢退行というものは、自分が生まれてから4才までに初めて感じた感情が、その後の出来事によって雪だるまのように大きくなってトラウマになったり、育ってしまったネガティブな感情、制限を解決するための手法の事を指します。
たくさんある感情のゲシュタルトの中から、間違いなく”とても強い恐怖の感情”を特定して、初めての感情にたどり着くと、元々は赤ちゃんの頃に、ベットで寝かされていたときに部屋のドアが風でバーン!としまった音にびっくりしたことに繋がっていた。など、怒鳴る行為とは全く違う原因で生まれた感情である事が多くあります。
そしてその事から、”とても強い恐怖の感情”を、大人の自分が考えるとどう捉える事ができるのか。そしてその出来事から、その恐怖の感情を、前向きに生きるための学びに変える作業をします。すると、原因となった一番初めの感情を手放すと、怒鳴られた恐怖感の形が変わります。学びを得たら、捉え方が変わるので、その感情の連鎖、ゲシュタルト自体が崩壊するのです。こうなると、YさんはもうXさんを前にしても”とても強い恐怖の感情”と言うものは感じなくなると言うのです。
年齢退行は過ぎてしまった過去の見方を変えて、そして捉え方を変えて、今、これからをより良く生きるために不必要なネガティブ感情や制限的決断を切り離します。決して記憶を消したり、過去を変えるわけではありませんが、物事の見方を変えることができれば、人生はいくらでも自分の思う通りに捉え直すことは可能なのです。誰かに何かをしてもらうのではなく、自分で見方を変える、リフレームができたという自信もまた、自己肯定感をあげるということに繋がるのかもしれません。
年齢退行催眠には他にインナーチャイルドや知覚位置を使ったエンプティーチェアなどもありますので、また次回、一緒に考えて行けたら幸せです。
今回はノーベル文学賞受賞したヘルマン・ヘッセ(1877/7/2~1962/8/9)のこちらの言葉でお別れです。
Happiness is a how; not a what. A talent, not an object.
幸せとは、何かではなく、どうするかです。手腕であって、物質ではないのです。
ご一読いただき有難うございます。